コメ・ニコラ、朝はいつになく元気がなかったのですが。
うーん。それというのも、フランス語がなかなかナチュラルに
話せるようにならないから。
大分耳も慣れて来たとは言え、来た当初よりも喋れるようになったとは言え。
昨日はロランスと一緒にお昼を食べたのですが、彼女の口数がいつもより少ない。
多分、コメ・ニコラが「よくわからない」とか「その言葉の意味は?」
などとしょっちゅう会話を中断するので、疲れちゃったんだと思います。
おまけに、コメ・ニコラは少ない語彙で何とか伝えようと
あれこれ日本語訛りで喋りまくるし…。
少し慣れて来た分、自分が何がわからないのか、やっとわかるようになったんですね。
前は全て塊で聞こえていたフランス語が、最近は単語一つ一つが耳に
残るようになってきたのです。その分、その言葉何?というのが増えた。
ちょうど子供のように「それどういう意味?」としょっちゅう聞いて
お母さんを困らせるみたいに、質問し続けるコメ・ニコラ。
自分でもそれがいいとは思っていないのですが、
急にフランス語のレベルが上がるわけではないので、しばらくはこんなだろうと思うと
我ながらがっくり。
そんなコメ・ニコラにコンラッドがtheatreに行こうと提案。
パリには小劇場が100を越えるぐらい、たくさん存在しています。
コメ・ニコラは、お芝居がわかるほどフランス語が堪能じゃないし…と
敬遠していたのですが。
コンラッドは、語学学校の同級生。どんどん他の子たちが自国に帰る中、
最後の一人として(コメ・ニコラはのぞく)病院で研修をしていたのです。
ちなみに、コンラッドはドイツ人で、お医者さんになるべく勉強をしています。
その最後のコンラッドも遂に3月4日にドイツに帰るとのこと。
その前に会おうね、ということで、一緒にお芝居に行きました。
彼が選んだのは、法廷劇。
げっ。ただでさえ、フランス語で芝居を見るっていうのに、さらに法廷劇…。
と、おののくコメ・ニコラ。
大丈夫、面白いみたいだから。とコンラッドに励まされて覚悟を決めました。
劇場はVilliersという駅の近くにあって、お芝居は夜9時からです。
学生だと半額の10ユーロで見られました!嬉しい!
とりあえずチケットを買って、時間までカフェでお喋り。
語学学校で同じクラスだっただけあって、
コンラッドとはフランス語のレベルがほぼ一緒。
気兼ねなく話すことができます。
「まだまだフランス人の友達と話すのが大変なのよー」というコメ・ニコラに
コンラッドは「でも来た時よりも随分喋れるようになったじゃない」
と言ってくれます。
そうだよね。確かに最初の頃はヨーロッパの人達の谷間に、
ちんまりとおさまって、ぼそぼそカタコトで喋っていたコメ・ニコラ。
成長してるよねー。と、やや自信回復。ありがとう、コンラッド。
さて、お芝居ですが、法廷が舞台ですがかなりおふざけな劇でした。
裁判長が花粉症でくしゃみをしまくって、薬のせいで眠くなり、
裁判は中断。検察官はゲイで、同棲していた人に去られて落ちこんでる。
被告人はユダヤ人で、弁護士に嘘をついてもらうように頼む。
おまけに、検察官の同棲相手が被告人と浮気していたというオチまでついて
会場はしばしば笑いに包まれていました。
コメ・ニコラも細かいところまではわかりませんが、半分ぐらいは
わかったし。一緒に笑うこともできました。あー、よかった。よかった。
コンラッドも、途中までは会話に着いて行くことができるんだけど、
それ以上は疲れちゃって流してた、と言ってました。
そうそう。おんなじ。おんなじ。
コメ・ニコラも、以前は日本で小劇場に足を運んだりしていたのですが、
何か雰囲気が全然違う。日本で見たのはサブカルチャー的演劇でしたが
今日見たのは、大人が見に来るちゃんとしたお芝居。
上演している人も、裁判官役の人はかなりおじいちゃんでしたし、
その他の人々もとてもベテランな大人の俳優でした。
たまにはお芝居もいいもんだ、と思うコメ・ニコラ。
コンラッドにも、色々アドバイスをもらって
また足を運んでみようと思います。
ベルリンに会いに行くからね!またね!
と、手を振るコメ・ニコラでした。