今日は脱力していたコメ・ニコラですが。
前回のスタージュの時にふと、ニコラ師匠に
「スタージュって、本来はどういうシステムなんですか?
自分の仕事もしないといけない上に、さらにスタジェールの面倒も
みなくちゃいけないし…」
と、聞いてみたコメ・ニコラ。
受け入れる側はお金を払わなくてもいいとは言っても、
それなりに面倒はみなくちゃいけない。
こういう時はどうするの?など、アドバイスを求められたり、
仕事の指示を出したり、できなかった場合のフォローをしたり。
忙しいアトリエは、やっぱり受け入れる側も
それなりに大変だったりすると思うのですが。
「分かち合うっていうことかなぁ」
とニコラ師匠。
「日本にはないの?」と逆に質問されて
「インターンシップというアメリカから輸入されたシステムは
あるけれど、フランスのスタージュみたいな制度はないです」
と答えました。
ちなみに、このブログでも以前説明したかと思いますが、
スタージュは、企業と学校と本人の三者で契約書を交わします。
まず大体は1か月ぐらいの契約書を交わして、
実際に働いてみて、受け入れ側がOKであれば延長も可能。
学生であるうちは、何度でもできるし、いつまででも延長できます。
お金をくれるところもありますが(上限があります。もらった
ことないから!確かではないですが、300ユーロぐらい)、小さい
アトリエなどはお金は支払われないところがほとんどです。
お昼代なんてもちろん出ないし、交通費も出ません。
ただ、本来は、スタージュ生には実際の仕事をさせてはいけなくて、
あくまでも研修であるという前提です。
(要はただ働きさせてはいけないということ)
ただ逆にこれを逆手に取って、仕事を教えてやっているからと
本来の仕事をさせてお金を払わないで、労働力として使っているところも
なくはないです(あのアトリエはスタージュでまわしてるからねぇ、
などと日本人の間で言われたりする)
ちなみに、学生の身分として滞在している分には、スタージュは
外国人でもすることができます。
スタージュ生という身分(滞在許可証の)もあるみたいですが、
これは申請したことはないので、よくわかりません。
また、26歳以下の学生は、apprentisという契約を交わすこともできます。
SMIC(最低賃金。1,200ユーロぐらい)の6割だったかをもらって、
学校に行きながらスタージュもするという契約。
大人の人には、これに近いprofessionalisationというシステムもありますが、
この契約はあくまでもお仕事になるので、当然労働許可証が必要になってきます。
フランスは元々、アルティザン=職人さんたちが最初の「会社」という
形態を起こしたそうです。
パン屋さん、お菓子屋さん、肉屋さん、などなどなどなど。
なので、その技術を後から来る人たちに教えるとともに、
逆に新しい人たちから刺激を受けることもあるということ。
なるほどねぇ。
「ニコラ師匠もスタージュしたんですか?」
「したよ。学校に通いながら週に3日、1年ぐらいね」
そうかぁ。
何だか、このシステムを利用だけさせてもらうのは、
申し訳ないような。
もしこのままコメ・ニコラがフランスにいて、
アトリエなんか開いちゃった暁には、スタージュを受け入れたり
するんだろうか…。
それにしても、この話を聞きながら、
フランスを選んでよかったのではないかと思うコメ・ニコラ。
日本ではスタージュはできない(ただで何でもします、というのは
ありかもしれないですが。見習いとか丁稚奉公とか。でもフランスのように、
あっちこっちのアトリエをのぞかせてもらって、お仕事を教えて
もらって、というのはないですね…)し、ほかのヨーロッパの国々に
あるのかどうかは、わからないですが。
何せ、始めたのが遅いコメ・ニコラは、
普通に自然にこの道に入る、というのは難しい。
何とか、どうにか、道をみつけないと、という状態。
そういう意味で、経験にもなるし、勉強にもなるという、
この実地研修は本当にありがたいわけです。
今のところ決まっているのは、今月20日までのマーク先生の
ところでのスタージュと、9月1か月の別なアトリエでのスタージュです。
その次からのスタージュは目下探しているところ。
コメ・ニコラは、最初の1回目のスタージュ(ニコラ師匠のところ)
以外は、全部自力で(知り合いの紹介とか、自分で探してとか)
みつけています。学校に頼むのもいいけれど、若者優先で後まわしに
なっちゃうことも多いし、実際にどんなところかわからずに行くのも
いやなので。
ただ、自分で電話して、履歴書を送ったり、面接に行ったりなので、
やっぱり大変です。躊躇することもしばしばです。
まぁでも、本当に、ここでできる最大限のことをしたいと思うので、
何とか頑張ります!
外国人ということも気にせずに、受け入れてくださった皆さんに
やっぱり感謝。
最初のニコラ師匠のアトリエでは、あまりにもコメ・ニコラが
外国人であることを気にしていないので、逆に心配になっちゃったり
したぐらいなのですが。
何でしょう、やっぱりこういうところはフランスは懐が深いなぁ、と
思ったりするコメ・ニコラです。
日本のお寿司屋さんで研修しているフランス人が、一体何人いるだろうか…。
また来週も、頑張りまーす。